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現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。© 2021 Takatoshi Goto

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「香天」2016年4月号

限りなくひとりになりし竜の玉 岡田耕治 高野山に帰る人ある寒気かな 同 白梅に来て耳鳴を取りもどす 同 コンピュータ開くと草の青みけり 同 閉校の近づいている桜かな 同 「ギャラリー」および「俳句鑑賞三六五」では、拙句をお取り上げ頂き心よりお礼申し…

「小熊座」2016年4月号

白鳥の声人の世の永からず 高野ムツオ 原子炉と眠れる億の虫の息 同 たましいは肉質にして黒海鼠 渡辺誠一郎 息白し星が生まれて消えるまで 宇井十間

「葦牙」平成28年4月号

雪深き飛驒の國より寒見舞 尾村勝彦 冬浪の白刃せまる地球岬 同 寒卵ニュートリノもすりぬける 十河宣洋 十河宣洋氏の「俳句散策(現代俳句鑑賞)」にて拙句を鑑賞して頂きました。心よりお礼申し上げます!!

「海程」2016年4月号

行雲流水螢訪う文殊の地 金子兜太 青空に茫茫と茫茫とわが枯木 同 紅梅を埋めし白雪無心かな 同 柳に風生死一人の世界にて 相原左義長 羊歯群落透明に透明に柵は 武田伸一 丘に乳房をあつめて春の来ていたり 前川弘明 少年ひとりで切傷愛す杏林 北原志満子

「鷹」平成28年4月号

かつ丼の蓋の雫や春浅き 小川軽舟 左手は闇を掴む手月冴ゆる 奥坂まや くりかへす鬱梟も苦しむか 柳克弘 はくれんが散るさやうならさやうなら 市川葉

「藍生」平成28年4月号

はるかよりきし花びらのかの世へと 黒田杏子 さまよふて櫻の國をかなしみて 同 禱る禱る歩く歩く花の國 同