2019-01-01から1年間の記事一覧
菖蒲湯を出て夕刊をひらきけり 片山由美子八月や花はひかりを引いて落ちあやまちは人の世のこと返り花若水の刃のごとき光かな秋風の踏絵は板に戻りたる
帯文には、「総合的切字論」<「切れ」が俳句の本質でもなければ伝統でもなく、1960〜70年代に切字説から派生した一種の虚妄であることをあきらかにする>と書かれているが、そもそも著者独自の「切れ」という詩法自体についての言説に乏しく、様々な「切れ」…
バスタオル胸に取り込む躑躅かな 小川軽舟 白菜に水道の水かがやける 同 夕空は宇宙の麓春祭 同 遠く来て近所のごとし花祭 同 立葵小溝も潮の差しきたる 同
水澄むや黒曜石の鏃研ぐ 朝吹英和 くるぶしに海の音聞く十三夜 同 山猫の瞳に映る神の旅 同
