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現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。© 2021 Takatoshi Goto

2014-01-01から1年間の記事一覧

「俳句四季」2015年1月号・東京四季出版

昼寝どき人の訪れ黄水仙 金子兜太 木の家の重石となりて鏡餅 鷹羽狩行 初明り庭に松影置きそめし 稲畑汀子 東京は大敗荷田初日射す 宮坂静生 結界と定めた石に初日影 宇多喜代子 元日やたましひの札切ちりぢりに 斎藤愼爾 渾沌に無縁の刻の餅を焼く 佐怒賀正…

句文集「セレネッラ」第二号<冬の章>

狐火に音叉の響き吸ひ込まる 金子敦 数へ日や封筒なくて油揚げ 中山奈々 踊りだす異国の文字やクリスマス 中島葱男

「現代俳句」平成26年11月号

木枯しも順風逆風ありとせん 新谷ひろし そらまめやここはやっぱりあやまろう 門野ミキ子 からす瓜なみだあみだと駆けのぼる 佐藤瑞穂 五月闇書庫には鍵がもう一つ 仲田陽子 はつあきの体すみずみまで水面 月野ぽぽな ていねいに絮のせてゐる秋の風 石母田星…

「槐」平成26年12月号

秋気澄む日は金箔がよく延びる 高橋将夫 煮えたぎるものに音あり秋の風 同 陵につづくみささぎ秋のこゑ 水野恒彦 水底の石乾びをり豊の秋 加藤みき 天の川猿のこしかけ太りをる 雨村敏子

「青群」第34号

娑婆しゃばと叫び続けて 蟬天国 伊丹三樹彦 海底より噴きでた山の 石の黙 伊丹公子 建て替り入れ替りして神田村 伊丹啓子

「麻」2014年11月号

鶏頭の傾ぎを支ふ壁白し 嶋田麻紀 心霊が古呂呂牟呂呂ちちろ虫 松浦敬親 口漱ぐ水にもありし秋の声 長山順子 おとがひに風を捉へし風の盆 庭野治男

「花鳥諷詠」平成26年12月号

旅先の芒をつなぐ家路かな 稲畑汀子 コスモスの色を分けゆく風の先 同 わだつみの命へ掛けて秋の虹 坊城俊樹 ひとつだけがらんどうなる露の家 同 露けしや日々を働く重機音 今村征一

「山河」第331号

黒揚羽消えあとさきのない時間 松井国央 吊り橋の高さに秋が交叉する 芳賀陽子 銀漢を斜めに過る千羽鶴 山本敏倖

海野良子・句集『時』邑書林

山の水汲む間を月の渉りたり 海野良子 自転車を降りて押したる桜かな 同 車より腕伸びてきし桜かな 同

利普苑るな・句集『舵』邑書林

半獣神眠らす茅花流しかな 利普苑るな 星流る弥勒菩薩を待つ時間 同 わたつみにわたくしの舵かぎろへり 同 竹林のうねりゆたかに燕来ぬ 同

「GANYMEDE」vol. 62

青丹よし奈良に色なき風満ちて 橋本榮治 かわたれの星にならんとなめくじり 渡辺誠一郎 弥陀仏の西へ展ける蟬しぐれ 花谷清

『磯貝碧蹄館 遺句集』(朝吹英和 編集)

胸に棲む獅子の雌伏や初御空 磯貝碧蹄館 海に神輿を担がむ腿に筋金入る 同 夜ざくらや膀胱にある水あかり 同 翼なき身を青葱の中に置く 同

「藍」平成26年12月号

銀漢の淵を塒に青鷺よ 花谷清 行方知れずサンタに貰ったトランプも 花谷和子 久々に開ける正門松手入れ 寺門良子

「ひろそ火」2014年12月号

トパーズの太陽を置き秋日和 木暮陶句郎 秋高し無限を映すビルの窓 同 秋風や隙間だらけの町に住み 槽谷節子 言はないと決めてひたすら生姜する 中野千秋 黒潮の色を焦がして秋刀魚焼く 相庭白雨

「海程」2014年12月号

鶲来て昨日の月影を啄ばむ 金子兜太 桃食って友の安否が手に残る 相原左義長 モルヒネの覚めて繊月のまぶしさ 安西篤 香水に従きて倶利伽羅峠まで 塩野谷仁 ハツカネズミ窺う風神雷神図 武田伸一 雨立ち込めて昆虫展の奥に人 小野裕三 夾竹桃抱えられない昼…

「槌」No. 150

天空は時の器や黒揚羽 小檜山繁子 曼珠沙華黄泉平坂まで咲けり 同 裏白の乾く葉先の微震かな 石井薔子 十月の影を卍に阿修羅像 対馬智恵子 もとよりの川があるからさくらかな 古川塔子

「山河」第330号

野薊と別の時間を開封す 松井国央 水洗いして大根を無罪とす 同 流氷の軋む岬や鉄路果つ 泉信也 鉛筆をとがらせる朝霧に向けて 加藤絵里子 はらからや分水嶺の蝉時雨 井元一 時満ちることなし山に雪残る 高野公一 たのしひの昇る途中の竹を伐る 竹腰素 一瞬…

「麻」2014年10月号

十六夜の爪の半月小さくなり 島田麻紀 路地一本夕焼の川となりにけり 井口あやこ 心経の無無に秋澄む響きあり 松浦敬親 生命線ぐいと曲りぬ盛夏かな 川島一紀

「火星」平成26年12月号

茶の花や畚払ひし塵ながれ 山尾玉藻 その家に椰子抜きんづる小春かな 同 流れ星拾ひし石のぬれてをり 杉浦典子 銀漢や富士駐屯地がらんだう 浜口高子

「鷹」平成26年12月号

朝寒やスリッパ鳴らす寺男 小川軽舟 朝日また夕日に似たり破芭蕉 同 水破り錨出てくる秋暑かな 奥坂まや ビル街の月光の水圧を行く 同 密柑山眩しきままに日は沈み 柳克弘 鳩の中歩み長月果てにけり 永島靖子 鳥兜一口乗せてもらひけり 加藤静夫

「香天」2014年11.12月号

はじまりの一本離れ曼珠沙華 岡田耕治 それからを温めている石榴かな 同 街に居て静かになりし天の川 同 秋旱海の底へとおよびたる 同 いくたびかドア開いている初時雨 同 沈む陽に躓くことも冬の人 安田青彦

「小熊座」平成26年12月号

雨の冷え谷の底より足裏へ 高野ムツオ 不易とは地祇が坐すこと葛の花 渡辺誠一郎 おほかたの土偶はをんな蕎麦の花 栗林浩 月影に寄り添うように旅立ちぬ 佐藤成之

「里」2014年12月号

谷底の空の末廣十二月 島田牙城 菊農家長兄なりし検査技師 海野良子 葉脈は楓の裏につづきけり 堀下翔 鰯雲ふらふらゆけば橋がある 小林苑を 月光の冴えたり粗大ごみ置場 媚庵 茸食ふ茸のやうな頭の子 仲寒蟬 盛り塩は置かれたばかり実南天 天宮風牙 雨のな…

小原啄葉・句集『無辜の民』角川学芸出版

亡き人へ両手をつなぐ踊の輪 小原啄葉 地震くればおのれをつかむ蓮根堀 同 海へ出たがる初凧の糸ゆるす 同 無に徹し生くるも難し返り花 同

成井侃・句集『素戔嗚』角川学芸出版

兜虫つかみどころのありにけり 成井侃 反転のあとの攻勢稲雀 同 行末は知らず雛を流しけり 同 素戔嗚尊大足稲の花 同 漂へるものにたましひ月の海 同

岩淵喜代子・評伝『二冊の「鹿火屋」原石鼎の憧憬』邑書林

原石鼎の実相に迫る好著。数多くある石鼎の名句でも「頂上や殊に野菊の吹かれ居り」には特別な思いがあります。実は、二十年前に東吉野村を訪れた私は、まさに石鼎が掲句を詠んだ「鳥見霊畤伝承地」の山頂でたまたま野菊を発見しました。神武天皇が即位後は…

辻村麻乃・句集『プールの底』角川書店

木霊せり微熱を持てる夏木立 辻村麻乃 晩夏光プラスチックの中の泡 同 稲穂さはさはさは海の音となり 同 人参を地中に持ちて夕日落つ 同 早起きの竜天に上りシーツ干す 同

「OPUS」第39号

灰皿に煙草がけむる夕桜 和田耕三郎 夏の夜の更けてガソリン匂ひけり 同 月裏のやうにさびしき花樒 坂本登 かけ違ふ釦のごとく落椿 しなだしん

「藍」平成26年11月号

去るひとへ鳴く新涼の山鴉 花谷清 下りきし山ふり返る芒原 同 まっさらな枕で眠る十三夜 花谷和子

「火神」第52号

しんがりを行く先生の夏帽子 今村潤子 天井画竜は火を吹く梅雨激し 同 もくれんのひらくともなくひらきけり 永田満徳 大波に攫はるるごと昼寝かな 同