2018-01-01から1年間の記事一覧
これがまあコンスタンティノポリスの夕焼けなる 高山れおな富士火口なにもかも吸ふ夏のはて 同月並のはらわた孵る月白や 同
ももの日の人形の影ひとの影 斎藤信義 明け方の天女が原の淑気かな 同 雪晴れやアイヌコタンの空舟 同
潰したるペットボトルの中に海 夏木久 原子炉に銀河鉄道途中停車 同 朝顔の淵に停まらず縄電車 同
風鈴が残りねえやが入替る 仁平勝 別れるの別れないのと冷奴 同 立春の電車に座る席がない 同
魔法瓶有るだけ並べ甘茶寺 伊藤伊那男 マッチ一本迎火として妻に擦る 同 京の路地一つ魔界へ夕薄暑 同
一日の中の永遠返り花 青木澄江 春昼の真ん中は乱丁である 同 うたかたは十一月へ急ぎけり 同
山中に塩の地名や青胡桃 堀越胡流 神木の影のなかなる三尺寝 同 月光の深きにいつか魚となる 同
松葉掃く母に木洩れ日石蕗の花 依田百合 諾ふも拒むも独り花曇 同 毛糸編むいつしか菫色の午後 同
ぼうたんの花弁の底に今朝の雨 三好美津子 百粁先の初富士へ疾走す 同 大綿に風に逆らふ意志のあり 同
白れんや空の付箋を剥がしつつ 田中葉月 ふらここの響くは子音ばかりなり 同 銀漢や象のなみだに触れに来る 同
少女らは跡を見にゆく野焼かな 高木一惠 啓蟄や川から畑へ水運ぶ 同 定住漂泊おぼろ狐の尾の千切れ 同
力石春の土より抱き起こす 依田善朗 いちにちのひかりが沈む刈田かな 同 土牢に生き身の咳をこぼしけり 同
立ち尽くすぼくら疾走する蟻ら 花谷清 のちに知る意味をときどき鉦叩 同 一点に集まる時間弓始 同
にんげんに名札をくばり蛍狩 山田耕司 みつ豆の叱る側だけ泣きながら 同 日に脚のありて伸ぶるを金盥 同
手際良き夜店の香具師や手に黒子 辻村麻乃 天道虫流されてゐる交差点 同 夜学校「誰だ!」と壁に大きな字 同
花満つる時しも実盛像拝す 松本旭 麦笛を吹く旭日の真向かひに 佐怒賀直美 待つといふ日々の鮮烈鉄線花 松尾紘子 炎帝や実盛像の眉太し 今井みさを 沢瀉やこの世の外に相照らす 五島高資 枝垂れ葉の揺るる湖面や実盛忌 辻村麻乃 沼つ原に雲駈け抜けてはだら…
水の音にまぎれぬ春の寒さ哉 藤沢雨紅 散となく風の音あるさくらかな 同 夏の月人の中より更けにけり 同 まつ風や松をはなれて松の聲 同 寝る人は寝せてののちや月の宿 同 藤沢雨紅 明和四年(1767)生まれ。宮本虎杖に師事。 鑑賞文 : 朝吹英和「藤沢雨紅『…
