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現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。© 2021 Takatoshi Goto

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「現代俳句」平成26年4月号

毛布売り場が見つからなくていま画廊 北大路翼春塵の天使総門に置き夜空 対馬康子枯野道Ωを一つ拾ひけり 倉阪鬼一郎

「槐」平成26年4月号

白息の声には出さぬ祈りかな 高橋将夫降る音の聞こえてゐたる牡丹雪 加藤みき猩々の集まつてをる恵方かな 雨村敏子

「藍生」平成26年4月号

雪を掻く老女に春の月満ちて 黒田杏子かなしみてよろこびて物捨てて春 同冬の蚊の日に透けたるを払ひけり 三島広志

「香天」2014年 3. 4月号

龍の玉一寸先を崩れたる 岡田耕治歩き出す冬の大三角の中へ 同涅槃雪転ばぬように滑りたる 同つばくらめ傾いてすぐ高くなる 同

「鷹」2014年4月号

冬尽きて空に無数の擦過傷 小川軽舟寒夕焼生死蔵して海しづか 奥坂まや受信して白紙なりけり春一番 加藤静夫鷗の目寒し蒼海知り尽くし 髙柳克弘

「海程」2014年4月号

遠く雪山近く雪舞うふたりごころ 金子兜太冬の夜や種子を光として握る 守谷茂泰枯葎きのうの翼が捨ててある こしのゆみこ神渡し鱗張り付く腕を翔け たかはししずみまだ若い冬将軍だなまっすぐ来る 月野ぽぽな

「俳句原点・口語俳句年鑑2013」口語俳句協会

イエス・キリスト痛かったであろう青葉風 池田澄子 点滴や梅雨満月の高さより 石寒太 野の石を 抱く 海嶺のいただきに 大井恒行 川流れ春もながれて足残る 鎌倉佐弓 行く秋の水より皿をとりだしぬ 澤好摩 黒揚羽あれは光の裏返し 高野ムツオ 寂聴の笑顔の怒…

季刊「鳳」8号

きつねだな眉のきれいな人にあふ 堀瞳子春水となる山を出て山に入り 藤勢津子おほ空は久遠のいろに雨水かな 髙道章涅槃絵の汀に魚の身を反らす 浅井陽子

「俳句αあるふぁ」2014年4・5月号・毎日新聞社

目つむりてあけておぼろや西行忌 山上樹実雄花吹雪此の世の事は解らない 鳴戸奈菜沈黙にジャズすべり込む秋の宵 木暮陶句郎

平成二十五年度「俳句ポスト入選句集」

斑鳩の鐘より昏るる花菜畠 今村征一神還る気多の海鳴り荒れ止まず 同夕日いま枯野に遠く落ちにけり 同

「俳句四季」2014年4月号・東京四季出版

麦を踏む水平線を近づけて 稲畑廣太郎 冴返る執金剛の睥睨に 佐藤麻績 風花のやがて卍となりゆけり 古賀雪江

「あすてりずむ」Vol.5

先生のたばこの匂ひ卒業す 後閑達雄 ランドセル無数並びて菫咲く 澤田和弥 FAXのぢぢぢぢぢぢと冴返る 金子敦 春雪やいで湯に男叫びあひ 小早川忠義

「たいせつな風景」第19号・神奈川県立近代美術館

「未来につなぐ想い」日本現代詩歌文学館

「花冠」2014年4月号

枸杞の実のあかあか吾に今日がある 高橋信之 大空の光りを集め梅蕾 高橋正子 冬北斗追いかけっこでゆく親子 高橋句美子

「藍」平成26年3月号

啓蟄の私鉄終日乗車券 花谷清 大地にも人にもやさし紅椿 花谷和子

俳句スクエア・受贈書誌紹介