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現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。© 2021 Takatoshi Goto

2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「火星」平成26年7月号

山祗の風のあふりし蓮見舟 山尾玉藻石段を数へて登る桜かな 杉浦典子陽炎を抜けきし人に会釈さる 戸田春月

「鷹」2014年7月号

松?や昼深ければ人を見ず 小川軽舟地下道の風腥き薄暑かな 奥坂まや婚礼の窓大いなり青嵐 髙柳克弘木のことば水のことばや月おぼろ 志賀佳世子

高島愼助・板羽千瑞子著『力石を詠む(七)』岩田書店

速川の瀬に坐す玉や龍天に 五島高資わたつみの海につちふる力石 同落ちてこそ咲く椿あれ力石 同

「かいぶつ句集」第77号

六月の山雨上がり鬼の湯気 榎本バソン了壱廃校の窓に雲湧く五月かな 笹公人薔薇色の月に抱かれて船が出る 蜷川有紀

「槐」平成26年7月号

燕飛ぶ自力と他力使ひ分け 高橋将夫春の風陰陽石の乾きをり 同虚子の忌の山ありて川光るなり 水野恒彦

季刊「鳳」9号

観覧車雲の峰へと登りつむ 髙道章青嶺濃き日本にフォッサマグナかな 堀瞳子足もとを山気流るる夏神楽 浅井陽子

「連衆」68号

ふらここや雨宝童子はまだ厠 谷口慎也毒薬も媚薬もよろし鳥の恋 柿本多映月光の斧一振りも菩薩にて 高橋修宏

「俳句四季」2014年7月号・東京四季出版

涼しさは鑒真さまの結跏趺坐 後藤比奈夫頂上へ急がず遅れず風薫る 矢須恵由糸とんぼ水の光に消えにけり 松田美子竹皮を脱ぎはじむべき時なるぞ 片山由美子石走る水の彼方の遅桜 ながさく清江捨てし街の鏡のなかを昼寝かな 中村安伸

仁平勝・句集『仁平勝句集』ふらんす堂

探偵の一寸先は闇の梅 仁平勝丸薬をこぼす家長に梅匂う 同時計屋の一部始終や神の留守 同秋天に白球を追ひ還らざる 同合鍵を忘れてもどる冬銀河 同寝たふりをして木枯の音を聞く 同夜桜に行きつくまでの屋台かな 同ちり紙を落として拾ふ寒さかな 同

「刈安」No.11

われ阿修羅雨水の町を通りけり 大木孝子MRIの洞の仰臥や魚は氷に 細川洋子ヒヤシンス炉心熔融をさまらず 永井和子上段の構へ動かぬ寒稽古 馬場由紀子連れに見え我には見えぬ狐火か 皿海和子

「海程」2014年6月号

雲積めど放射能消えず流離かな 金子兜太枇杷の花けぶる少女らすぐ跼む 武田伸一淀みなく産み次々牡蠣を揚げており たかはししずみ湯ざめして身ぬちの星座あきらかに 月野ぽぽな戦前も戦後も黒き枯れ木かな 小野裕三二月の鳥光の結び目啄めり 守谷茂泰降る雪…

「青山俳句工場05」第54号

母を叱ることに慣れない花かたくり 宮崎斗士落椿ゴッホの耳が落ちている 川崎千鶴子花見弁当人はどこかで橋渡る 黒岡洋子

江良修・句集『長閑な他人』角川学芸出版

大観覧車長閑な他人の時間かな 江良修十六夜や書店に僕が浮いている 同はみだしたところにこころ冬木立 同月と日と吾のなす初夏の三角形 同掬う手の水の脆さや冬の星 同

「ひろそ火」2014年6月号

初蝶の鼓動に揺るる草の弓 木暮陶句郎水音を隙間に満たしつつ桜 同住職の強き眼や花の寺 同もう夢に出てこぬ人よ春の雪 星野祐子

「藍」平成26年6月号

一枚に触れ全ての蓮の葉にふれる 花谷清佳き日のよき言葉をいまもおだまき草 花谷和子

塩野谷仁・句集『私雨』角川学芸出版

春の日の遥かなる水掬いおり 塩野谷仁荒星を数え荒星よりさびし 同鷹化して鳩となる日の木々に星 同落日をたしかめにゆく蝸牛 同水たまりあれば空ある人麻呂忌 同

「紫」2014年6月号

泳ぐ真似をして風船を追ひ行けり 山﨑十生その影のわたくしならずしだれ梅 鈴木紀子風も光も痩せるだけ痩せ詩人の死 岩切雅人

「雲の峰」平成26年6月号

旗幟あげて播磨の総社風光る 朝妻力夏近し千木縦削ぎにいくさ神 同夏めくや鍾馗の睨む鬼瓦 同

「花冠」2014年7月号

辛夷花芽の空へ明日ある喜びを 高橋信之豌豆の花の飛び立つとの曇り 高橋正子揚ひばり田ごとに天のありにけり 桑本栄太郎桜満つ八瀨大原に水の音 黒谷光子

平成26年度「インターネット俳句協会」句会参加者募集!!

◆ 日時 : 平成26年7月6日(日曜日) 13:00~16:30 ◆ 句会 : 雑詠3句持寄◆ 場所 : 関口芭蕉庵(所在地 : 文京区関口2-11-3 TEL : 03-3941-1145) http://www.city.bunkyo.lg.jp/visitor_kanko_shiseki_bashoan.html◆ 費用 : 場所代均等割(1000円以下) ちょう…

「俳句飄遊」平成26年6月句会

平成26年度「インターネット俳句協会」句会参加者募集!!

◆ 日時 : 平成26年7月6日(日曜日) 13:00~16:30 ◆ 句会 : 雑詠3句持寄◆ 場所 : 関口芭蕉庵(所在地 : 文京区関口2-11-3 TEL : 03-3941-1145) http://www.city.bunkyo.lg.jp/visitor_kanko_shiseki_bashoan.html◆ 費用 : 場所代均等割超結社句会 ですので、…

俳句アンソロジー『新現代俳句最前線』北溟社

背泳ぎの指先星を生みにけり 石母田星人 濫觴の光は自転する檸檬 同 白桃の中に静かな始発駅 同 死に至る柱時計を出る西日 同 終へてなほ心は旅に龍の玉 上野一孝 星流る携帯電話微動して 中村与謝男 石を登り水を渉るや樟若葉 五島高資

「山河」328号

黙祷を直りて続く雪解音 松井国央ぎりしゃまで落ちる途中の白椿 山本敏倖

「花鳥諷詠」平成26年6月号

計画は花の遅速にかかはらず 稲畑汀子日月を城にゆだねて牡丹の芽 辻美智子

「麻」2014年5月号

夏立つや田水明りに雨の音 嶋田麻紀日も月もひとつ空なり梅香る 長山順子未だ葉のなき枝先を風光る 鈴木了斎

「里」2014年6月号

折れたるは折れたるままに竹の秋 島田牙城何入れて袋が重い日雷 上田信治大空のあばらが見える熱帯夜 月野ぽぽなマンホールの裏濡れてゐるみなみかぜ 堀下翔一切を風船につめ飛ばしけり 仲寒?

「小熊座」平成26年6月号

声になる寸前にして桜かな 高野ムツオ再会という出会いあり涅槃西風 佐藤成之津波来し浜近し犬交る 渡辺誠一郎

「鬣」第51号

水上へ山吹の黄を光行く 林桂天彦の音も絶えたるに石蕗の花 外山一機見てをりし連翹の黄の崩れけり 水野真由美涅槃會やつやつや光る人の腹 堀込学

「槐」平成26年6月号

ふらここの漕ぎ方膝が思ひ出す 高橋将夫飛ぶ鳥も光のかけら弥生尽 水野恒彦唐大和上東征伝地に椿 雨村敏子