俳句・短歌ランキング
にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
にほんブログ村

現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。© 2021 Takatoshi Goto

坪内稔典・句集『リスボンの窓』ふらんす堂

ころがしておけ冬瓜とこのオレと     坪内稔典

長崎に住もう枇杷咲く五、六日     同

リンゴにもオレにも秋の影ひとつ     同

ねじ花が最寄りの駅という日和     同

夕べにはすっかり晴れて栗ご飯     同

「零文学」第十三号(群馬県立太田高等学校文芸部)

友情にイルカが跳ねる時を待つ     十文字潤

夕焼けが捨てた光に救われて     栗原知也

誰が夢を空へ紡ぎて五重塔     星野煌太

佐怒賀正美・句集『黙劇』本阿弥書店

地平の目まだ半びらき真葛原     佐怒賀正美

乗るによき父の背いつか天の川     同

地球まだ知られぬ星か磯焚火     同

亀鳴くや天の沖には磁気嵐     同

くねりだす街の石みち鳥渡る     同

青嵐や骨のみで立つ電波塔     同

大井恒行・句集『水月伝』ふらんす堂

覚悟なき死のおびただし核の冬  大井恒行
覚めているほかは眠りぬ鈴の風  同
ひかりなき光をあつめ枯れる草  同
赤い椿 大地の母音として咲けり  同
行方わからぬ光放てり手の林檎  同

高橋睦郞・句集『花や鳥』ふらんす堂

この星の春を盡すや又震ふ  高橋睦郞

踝に雲さやりつぐ川禊  同

若水や有爲の奥山㝱深く  同

春惜む綾取りの橋壊しては  同

三界は火宅風宅三の酉 同

山や水有情無情や皆目覺む  同

高橋睦郞先生より句集『花や鳥』(ふらんす堂)を頂きました。先生には昔より要所要所で大変お世話になっております。ご上木をお祝い致しますとともに併せて心よりお礼申し上げます。「芭蕉一代の表現行爲を継承しようと志すなら、その爲事を尊敬しつつ、各人自分一代の爲事を志さなければなるまい」と帯文にあり、深く首肯致します。