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芭蕉百句 100 haikus of Basho

芭蕉百句の評釈と英訳 100 haikus of Basho selected and translated into English by Takatoshi Goto  © 2021 Takatoshi Goto

蓮のかを目にかよはすや面の鼻

はすのかをめにかよはすやめんのはな

 

 元禄7年(1694)6月の作。『うき世の北』には「丹野が舞台にあそびて」と前書がある。丹野とは、大津の能太夫・本間主馬の俳号である。掲句は、丹野邸に招かれて能を鑑賞した際に詠まれたものである。

 能面は、その目からは外がよく見えないので鼻の孔から見るという。したがって、面をつけて舞っていると、とどこからとなく蓮の花の香りがしてくるので、その鼻の孔から蓮を覗った。そのことを「目に通わす」と表現したのである。ちなみに「目から鼻に抜ける」とは、抜け目がなく賢いことを意味するが、掲句の場合は逆であり、悠然とした趣が漂っている。また、「鼻」で蓮の花を見るというところに俳諧の妙が感じられる。

 

季語 : 蓮(夏) 出典 : 『觀魚莊圖錄』(『笈日記』)

 

The scent of lotus flower
coming through the nose of Noh mask
to my eyes

 

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蓮の花