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芭蕉百句 100 haikus of Basho

芭蕉百句の評釈と英訳 100 haikus of Basho selected and translated into English by Takatoshi Goto  © 2021 Takatoshi Goto

ひやひやと壁をふまへて昼寐哉

ひやひやとかべをふまへてひるねかな

 

 元禄7年(1694)の作。『芭蕉翁行状記』には「粟津の庵に立ちよりしばらくやすらひ給ひ、残暑の心を」と詞書きがある。『笈日記』では、芭蕉各務支考に「この句はどう解釈するかね」と尋ねると「残暑の句と思います。きっと蚊帳の釣手などに手を絡ませながら、物思いに耽っている人の様子でしょう」と応えている。すると芭蕉は「この謎は支考に解かれたな」と笑ったと記されている。

 おそらく、寝そべったまま足を壁に凭せかけた芭蕉が足裏に冷ややかさを感じたのである。壁はおそらく土壁だったのであろう。元禄時代までは「昼寝」は夏の季題とはされていなかったので、その触感はまさに秋の訪れを感じさせる「秋冷」だったのである。もっとも、まだ残暑の候であるから、心地よい冷ややかさだったのであろう。童心に帰ったような芭蕉の無邪気さが感じられ、ここにも「軽み」の詩境が感じられる。

 

季語 : ひやひや(秋) 出典 : 『笈日記』(『芭蕉翁行状記』)

 

Nice and cool
my undersides of the feet
on the wall

 

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土壁