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芭蕉百句 100 haikus of Basho

芭蕉百句の評釈と英訳 100 haikus of Basho selected and translated into English by Takatoshi Goto  © 2021 Takatoshi Goto

蓬莱に聞ばや伊勢の初便

ほうらいにきかばやいせのはつだより

 

 元禄7年(1694)正月、江戸・芭蕉庵での作。蓬莱とは、新年の飾り物で、三方の上に紙、歯朶 、昆布、 楪はを敷き、その上に米、橙 、熨斗鮑、蓬莱、橘 、 勝栗、 野老、穂俵、海老など、山海の幸が盛られた。中国の伝説における「蓬莱」は、東方海上にある、不老不死の三神山(蓬莱、方丈、瀛州)の一つに由来し、新年を縁起物とされた。ちなみに、のちに瀛州が日本と見なされたり、あるいは、日本国内にも仙境とおぼしき各地に蓬莱伝説が残っている。伊勢もまた山海の幸に恵まれた土地柄であり、天照大御神が鎮座する神域として不朽であり、まさに「蓬莱」と言っても良いかもしれない。

 掲句は、江戸にありながら、蓬莱に伊勢の神々しさを思い浮かべて、そこからの初便を聞きたいものだと願ったもの。ちなみに俳諧の祖とされる荒木田守武伊勢神宮の祠官であり、「元日や神代のことも思はるゝ」と詠んでおり、歳旦に際して、敷島の道にとって重要な伊勢の地に芭蕉の心が動かされたに違いない。芭蕉は死んでもその詩魂は不滅であることに鑑みると、俳諧精神の原点が伊勢なのだから、それもまた伊勢が「蓬莱」に相応しい所以と言えよう。

 

季語 : 蓬莱(新年) 出典 : 『炭俵』

 

Penglai decoration
I'd like to ask it about the 1st news
from Ise

 

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伊勢神宮皇大神宮(内宮)