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現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。© 2021 Takatoshi Goto

アート・文化

「ジャポニズム」2014年号

筆先のかすかな撓み秋に入る 中島雅幸

高島愼助・板羽千瑞子著『力石を詠む(七)』岩田書店

速川の瀬に坐す玉や龍天に 五島高資わたつみの海につちふる力石 同落ちてこそ咲く椿あれ力石 同

「槐」平成26年5月号

竹林に入り散りぢりとなる春日 高橋将夫白板はすべてが余白のどかなり 同

「紫」2014年5月号

都鳥悔いを残さず杭選ぶ 山﨑十生裸木に人間止めて連なれり 鈴木紀子

「犀」No. 193

ながながと川濡れてゐむ蓬摘 桑原三郎うぐひすや空気は風に混りつつ 同うぐいすや金平糖に陽のあたる 田中美佐子

「麻」2014年4月号

地に触れむばかりを手折る桜かな 嶋田麻紀物の芽のほぐれてよりの日和かな 飯村周子佐保姫がくすぐつてゐる山の腹 松浦敬親

新城峠大學・文芸講座 第1回(西川徹郎文學館)

「イーハトーブセンター会報」第48号・宮沢賢治学会

「俳句界」2014年5月号・文學の森

茅花流し黄泉へ近づく思ひせり 新谷ひろしブルートレイン終着は朧月 松澤雅世牡丹雪を来し救急車点滅す 眉村卓葱坊主職務質問お断り ねじめ正一人間大砲に笑顔で入り夏 長嶋有万蕾にみなぎる力春浅し 今村征一

「火星」平成26年5月号

水天をひと舐めしたる鹿の子かな 山尾玉藻目の合うて猫うらがへる日永かな 坂口夫佐子道順をはづれし梅の咲いてをり 杉浦典子十能の炎にはだれ野の闇うごく 浜口高子縞馬の縞の乱れぬ寒さかな 涼野海音

全国俳誌ダイジェスト「俳壇抄」第42号(マルホ株式会社)

指の輪を重ねて秋の入り日かな 五島高資 シリウスや人を吸い込む東口 同 三つ星を並べ千座の置戸かな 同

「俳句四季」2014年5月号・東京四季出版

見ゆる島隠るる島や春霞 高橋悦男明日またここにある筈蕗の薹 今瀬剛一?亀鳴くと日暮が水に降りてくる 黛執?ひきがへる判らぬやうに動きけり 山本一歩しぐるるや異端もやがて伝統に 加藤郁乎

「鷹」2014年5月号

空をゆく此の世の鳥や西行忌 小川軽舟日本は海に囚われ薺打つ 奥坂まや雪片の吾を慕ふあり厭ふあり 髙柳克弘遠方に友あるごとし春のくれ 加藤静夫

「現代俳句」平成26年5月号

長崎に夜も崩れぬ夏の雲 宇多喜代子みちのくの我も生霊初桜 高野ムツオ糠雨を聴き澄ましたる角袋 堺谷真人逃げ水やゆれる原子力発電所 五島高資

仁平勝『露地裏の散歩者 - 俳人攝津幸彦』邑書林

榮猿丸・句集『点滅』ふらんす堂

ローリング・ストーンズなる生身魂 榮猿丸金網の背にふくらめる日永かな 同黒板のふかみどりなる梅雨入かな 同ペットボトル絞り潰すや雲の峰 同桜貝と壜の破片とひかりあふ 同

伊丹三樹彦・写俳集『ガンガの沐浴』青群俳句会

一管の笛に するする 初日の出 伊丹三樹彦金輪際坐る行者に ガンガ明り 同金星を嵌め 夕焼のサリー雲 同

「里」2014年5月号

地の鹽の嵩の昏きへ囀れり 男波弘志??桃柳鏡の中に重なりぬ 仲寒???春昼を吐いて火口のがらんどう 同??浦かけて雨にけぶれる桃柳 市堀玉宗??半跏にて柳を桃へ合はせをり 島田牙城劒山に柳挟まり桃刺さる 同??パン工場春の夕日の浮く下の 上田信治??ストーン…

「韻」第15号

現人として寒風に吹かれをる 後藤昌治 君はまだ毀れたままに春の雪 永井江美子 駅弁を学校で食ふ啄木忌 山本左門葱にほふとき一介の無頼派は 小笠原靖和

「藍生」平成26年5月号

記憶谷追憶運河牡丹雪 黒田杏子花びらのくる月山の暁のいろ 同見えてゐる眼白と鳴いてゐる眼白 岩田由美返り花とほざかりゆくひとばかり 中岡毅雄闇よりも濃く外套の人過ぎる 三島広志

「あまい!!!」

口開けしままの埴輪や鳥雲に 金子敦春惜しむ画鋲を深く刺し直し 同服を着て逢ふほかはなし宵桜 山田耕司つちふるやたて線上のここは臍 同

市川葉・俳文『ぼく猫』邑書林

カトレアや首傾げて座る猫 市川葉要するに猫が襖を開けたのよ 同夫ほどは呑気に死ねず立葵 同

閒村俊一・句集『拔辨天』角川学芸出版

黄落や遠つ國より髯の神 閒村俊一風鈴の音を栞に文庫閉づ 同まがつ日をいただきにけり冬山河 同

「都市」2014年4月号

冬山を正面にして湧く言葉 中西夕紀白鳥を呼びをるは豆腐屋のラッパ 同紅梅に愚直の棒の支えあり 同

榎本了壱『イロハニ鳥獣圖鑑』かいぶつ書店

「かいぶつ句集」第76号

地をうちて枝垂れ桜の明かりかな 黒川俊郎丸亀丸DNA渦巻きの先に神がおり サエキ子覗けんぞう何時まで放課後だろう 春の夜の水田に揺れるジャスコの灯り 笹公人抱きしめてかさなりあって桜色 蜷川有紀土に眠る駱駝の瘤の春の音 榎本バソン了壱

加藤知子・句集『アダムとイヴの羽音』ジャプラン

麦の秋脈打ちてあり古墳地帯 加藤知子花ふぶく安全神話という耳鳴り 同歯痛あり頬に太古の梅雨の闇 同

藤埜まさ志・句集『火群』角川学芸出版

虫干や昼を灯して中二階 藤埜まさ志海鳥が街空を舞ふ春立つ日 同打水の龍の形して飛び出せり 同葉牡丹の耳展げ聴く星のこゑ 同 句集 火群 (単行本)価格:¥ 2,916(税込)発売日:2014-03-21

「ひろそ火」2014年4月号

残雪に木立の影の躓ける 木暮陶句郎橅の苔雪解雫に蘇る 同春愁や長き手紙の嘘ひとつ 同

筑紫磐井句集『我が時代』実業公報社

さういふものに私はなりたくない 筑紫磐井俳諧の婆娑羅の道を歩むなり 同何の犯罪青田の中を全速力 同風薫るあの日のままの西ドイツ 同